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「原 点」

大学生の時の話です。
「教育」や「人材育成」に興味を持っていた私は、教育支援活動をしているNGOの存在を知り、そのスタッフの一員に加わりネパールへ向かいました。
ネパールは後発開発途上国で、アジアの中でも貧しい国の一つです。
貧しさゆえ学校すら建設されず、満足に教育を受けることもできません。
そこで、ネパールの村々に学校を建設し、子どもたちに教育の機会を与える支援活動を行うことにしたのです。 私は主に完成した小学校や中学校で日本語を教えていたのですが、皆とても真剣に勉強します。学校で勉強できることはこの上なく幸せなことだと感じているようでした。
授業の最後に「何か質問はありますか」と尋ねると、「どうして日本は金持ちの国になったのですか」「なぜ日本人はすばらしい生活が送れるのに犯罪が多いのですか」「日本はこれからアジアの中でどのようにやっていくのですか」と驚くべき質問をしてきます。将来、日本の大学に留学したいという生徒もいました。皆、日本という国に興味を持っていました。
私は先の質問に「欧米に追い付き追い越せでやってきたらこうなった」などと冷や汗をかきながら答えていました。このときは「日本人として日本をどう考えているんだ」と問われた気持ちになり、それから改めて日本人としての自分を意識するようになりました。
私が活動をしていた当時のネパールは不安定な政治情勢でした。王制の打破を目ざす政党が武装闘争をしており、軍隊がデモ隊に発砲し血が流れることもありました。
町の食堂に行くと20代の若者たちは国の将来を考え、政治について熱く議論をしています。私も外国人として意見を求められ、一緒に議論に参加しました。彼らは王政に閉塞感を感じ、政治に対する不信感を持っていました。2008年に王制が廃止されネパールは民主制に移行したのですが、このときは、まさに政治的には混迷を極めていた時期だったと思います。
このようにネパールで活動を続けていくなか、今の日本にも同じような閉塞感があり政治に対する不信感があるのではないか、世界第2の経済大国になり、物質的には非常に恵まれているにも関わらず、日本は本当に幸せな国と言えるのか、と考えるようになりました。年間の自殺者数が3万人にも達し、小中高校の不登校が年間16万人に達する現状を見て、日本は「病んでいる」のではないか、日本人である私が日本で何かできることがあるのではないか、と思うようになりました。そこで政治が果たすべき役割の大きさに気づいたのです。政治とは、世の中にあるさまざまな問題や矛盾を調整し、社会全体をより良いベクトルに持っていくことだと感じたのです。 ネパールの子どもたちは澄んだ瞳をして力強くその土地で生きています。子どもたちはささやかであっても、将来に夢を持っていました。
政治の果たすべき役割とは、そうした子どもたちが夢を持てるように明るい未来を提供することでもあると思います。
ネパールでの経験から政治に携わっていこうと決め、そのためには「自分の足元から固めなあかん」という思いを持つようになりました。
日本人として地に足のついた言葉を語り、行動していくためには「地方政治」から始めるしかないと思ったのです。
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